鼻の病気  
 
○慢性副鼻腔炎
一般に急性副鼻腔炎が治らずに慢性化したものを慢性副鼻腔炎といいます。慢性化する理由は、鼻と副鼻腔をつないでいる小さな穴が、細菌感染による粘膜の腫れにより閉じられてしまい、副鼻腔にたまった膿が鼻腔に排泄されにくくなることにあります。たまった膿により、さらに粘膜の腫れがひどくなり、鼻のなかに鼻茸(はなたけ)が発生することもあります。

一般的な慢性副鼻腔炎とは別に、気管支喘息(きかんしぜんそく)を伴う慢性副鼻腔炎があります。一般的な慢性副鼻腔炎と比べ、鼻茸が多発性に発生し、鼻汁(びじゅう)は非常に粘りがあり、難治性です。アレルギーと細菌感染が同時に起こることが病態に深く関係していると考えられます。

副鼻腔炎の原因は、黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌、肺炎球菌などの細菌や、細菌のつくる毒素が病態形成に重要に関わっていると考えられます。 鼻の中にある副鼻腔の換気と排泄の通路が、粘膜の腫れにより閉じられることが主因と考えられています。

一方、気管支喘息を伴う慢性副鼻腔炎は特殊で、上記とは異なった病態を示します。細菌感染も重要ですが、それとは別に気管支喘息の発作を起こすものと同じものが副鼻腔でもつくられ、副鼻腔炎をさらに重症化していると考えられます。そのほか、アレルギー性鼻炎に慢性の副鼻腔炎を伴う場合があり、アレルギー性副鼻腔炎と呼ばれます。

鼻汁が絶えず出てきてよく鼻をかむ、鼻が常につまっていて、口で呼吸をしている、いびきをかくなどの症状が慢性的に持続します。鼻の両側に症状が現れることが普通です。そのほか、鼻漏(びろう)がのどに廻る(後鼻漏(こうびろう))、匂いがわからない、頭痛などの症状も現れます。

検査と診断は、専門医が鼻を覗いてみると、鼻汁や鼻茸を認めることが多くあります。鼻茸が認められたら、慢性副鼻腔炎の可能性が非常に高くなります。慢性副鼻腔炎の診断には画像検査が必要です。単純X線検査で、ほとんどの場合に副鼻腔の陰影を見つけることができ、慢性副鼻腔炎と診断できますが、より正確な診断をするにはCT検査が必要になります。

一方、気管支喘息を伴った慢性副鼻腔炎は一般に難治性です。まず気管支喘息の治療を内科の専門医にしてもらいます。そのうえで慢性副鼻腔炎に対して、耳鼻咽喉科専門医が抗ロイコトリエン薬や抗アレルギー薬を使用します。副腎皮質ステロイド薬を入れる点鼻薬も頻繁に使用されています。 最も有効なのは副腎皮質ステロイド薬の全身投与ですが、副腎皮質ステロイド薬の量が多くなると副作用が心配になります。このような薬物治療を行っても、効果の少ない場合には、内視鏡を使用した鼻内手術が行われます。内視鏡下の鼻内手術は、異常にはれた粘膜を取り、副鼻腔にたまったうみを除去するものなので、手術後にも耳鼻咽喉科専門医で引き続き診てもらうこと、手術前から使用していた薬を手術後も服用し続けることが重要です。
 
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