Q. ボツリヌス治療(ボツリヌストキシン療法)とはどんな治療ですか?
A. ボツリヌス菌の産生する毒素―『ボツリヌス毒素』―をごく薄くして作成した注射液(商品名:ボトックス)を病変に注射して、筋肉のけいれんなどの症状の改善を図る治療法です。効果は半年~一年持続します。

Q. ボツリヌス治療のメカニズムはどのようなものですか?
A. 神経が筋肉に接続する神経終末にボツリヌス毒素が結合し、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害し、筋肉の過度のけいれんを抑制します。

Q. ボツリヌス治療はどのような疾患に効きますか?
A. 日本では「片側顔面けいれん」、「眼瞼(まぶた)けいれん」、「斜頚」、「小児脳性まひの下肢痙縮に伴う尖足(つま先立ち)」の四疾患に適応が取れています。当院では、「片側顔面けいれん」、「眼瞼(まぶた)けいれん」に対して治療を行っています。

Q. 「片側顔面けいれん」とはどのような疾患ですか?
A. 顔面半分の筋肉が無意識のうちにピクピクとけいれんする病気です。 通常は下まぶたのけいれんに始まり、進行すると片側の顔全体がけいれんします。 特に緊張するとひどくなることが多く、人に会う時に困る事が多く感じられるようです。 顔面の痛みは伴いません。
原因は、顔面神経が脳から出る部分で動脈と接して圧迫されることにより起こると考えられています。 治療はボツリヌス治療の他、軽い場合は抗けいれん薬、抗不安薬の内服、重症化した場合は神経と血管の接触を解除する手術(ジャネッタの手術)、神経ブロック治療などが行われています。

Q. ボツリヌス治療と神経ブロック治療はどのように違いますか?
A. 神経ブロックは顔面神経そのものを麻酔薬で麻痺させるのに対し、ボツリヌス治療は神経終末の化学伝達物質をブロックするだけで、神経そのものが麻痺することはありません。従ってボツリヌス治療がほとんど副作用を起こさないのに対し、神経ブロックの場合、顔面神経麻痺という後遺症が残ることがあります。

Q. 「眼瞼(まぶた)けいれん」とはどのような疾患ですか?
A. 眼瞼けいれんは、大脳基底核の異常(ジストニア)により両眼瞼(まぶた)がけいれんし、次第に開眼できなくなり、重症化すると失明することもある疾患です。

Q. 痛みはありますか?
A. 顔面の5~10ヶ所に注射をしますが、一番細い針(ツベルクリン反応で使用するものと同じ)で行う皮内注射なので、それほどの痛みはありません。

Q. 副作用はありますか?
A. 薬品の濃度が薄く(致死量の1000分の1以下)、重篤な副作用はほとんどありません。まれに眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がること)が起こることがありますが、もし発症しても効果が切れるころ(半年~一年後)に必ず治ります。

Q. 費用はどのぐらいですか?
A. 注射液は一本5万円で、処置代は120円です。これに初診料や再診料を合わせたものが一回の治療費です。従って3割の自己負担の方は約1万7,000円ほどになります。(年齢や保険の種別により自己負担額は異なりますので、詳しくは当院スタッフにお尋ねください。)

Q. ボツリヌス治療はどこでできますか?
A. ボツリヌストキシン療法研究会が認定した認定医が在籍する施設でのみ、治療が認められており、使用本数を厚生労働省に報告する義務があります。熊本市内では現在6ヶ所の施設が認可を受けています。当院は平成22年7月より認可施設となっています。

Q. インターネットで、ボツリヌス治療の重篤な副作用の情報を見たのですが。
A. 一部マスコミやインターネットで、ボツリヌス治療の副作用のニュースが報道されましたが、これらはすべて第三国で製造された無認可の製品で、厚労省に認可されている英国グラクソ社製の製品では、同様の副作用は報告されていません。当院でもグラクソ社製のボトックスのみを使用していますので、心配はありません。

他、疑問があれば、スタッフまたはドクターにお気軽にお尋ねください。
電話:096-370-6000



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